競馬の世界に、競走馬を先導する「馬」がいることをご存じですか?
裏方としてレースを支える〝名脇役〟の正体に迫りました。
阪神競馬場。
会場を大いに沸かせたのは、僅差で勝利をおさめた
あの誰もが知る競馬界のレジェンド…武豊騎手、53歳。
大スターの活躍に注目が集まる一方、
その裏では、1頭の馬にファンの熱い視線が向けられていました。
調教スタッフの佐藤直さんと相棒の「カイシュウコロンボ」です。
「誘導馬」とは、出走馬の状態を観察するパドックから、
レースが行われる馬場へ、競走馬たちを先導していく馬のこと。
“先頭に習う”馬の習性を利用し、誘導馬が手本となることで、興奮しがちな競走馬たちを落ち着かせる、大事な役割も担っているのです。
誘導馬の中には
最高峰のレース「GI」を制した「マイネルホウオウ」など、
競走馬時代から変わらずファンを魅了し続ける誘導馬が多くいます。
しかし、「元競走馬」を「誘導馬」としてデビューさせるのは、並大抵のことではありません。
「今までは“速く走る”ことを教わってきてる子たちに
『走らなくていいんだよ』とどう伝えていくか。
歩くことが馬にとってどれだけ心地良い環境にできるか。
早く気持ちの切り替えをしてもらうということが大事」
誘導馬の練習が行われるのは、レースのない平日。
出番のないポニーたちが、の~んびり過ごしています。
阪神競馬場に在籍する誘導馬は、全部で11頭。
みんな、昔は競走馬として活躍していた馬たちです。
先ほどの「カイシュウコロンボ」は、15歳。
8年目のベテラン誘導馬です。
朝は、スタッフ総出で厩舎の掃除を行うのが日課。
これも、それぞれの馬を知る大事な作業なんだとか。
「一人一人、馬房の使い方にもクセがあったり、
馬のウンチの量も健康を知る一つになるので、
いつもと違う所がないかチェックしながら作業している」
馬が自分の部屋で快適に過ごせるよう、
こうやって毎日ワラを入れ替えるなど、手間は惜しみません。
さらに、スキンシップも大切にしています。
「こうやって馬の方から“遊んで遊んで”って。“遊ぼうよ”のお誘いですね。
ここはカイカイされると気持ちいいので。
普段から馬のことを見ていれば、一頭一頭の性格が見えてくるので、
ちょっとお部屋に戻る前に、コミュニケーションをとって、遊んでから」
集中して訓練を行うためにも、
なるべく馬のストレスが溜まらないよう、気を配ります。
「作業前に一回休憩。馬にとっては、すごくリラックスできる時間なので大事」
休憩の後は、訓練開始。
これは、「馴致(じゅんち)」といい、
本来、臆病な馬に対して、突然の出来事や物に、
驚いたり暴れたりしないよう徐々に慣れさせていく作業です。
「経験が浅い子は、1つ普段と違うことがあるだけで、
それにすごくフォーカスしてしまって驚いたり、反応しがち」
何度も何度も、本番と同じルートを歩き、危険がないことを教える。
最低でも1年かかる地道な作業です。
最後は、実際に馬場に出て整列の練習。
ちゃんと止まることができれば、体をポンポンと叩いて間違っていないことを伝えます。
「もちろん競走馬を応援しに訪れる方がほとんどだと思うけど、
誘導馬を通じて馬を少しでも身近に感じていただいて、
馬をもっとみなさんに知っていただきたい」
競馬界を陰で支える名脇役から、今後も目が離せません。
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