#毛利 小五郎 (もうり こごろう)は、
『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス『名探偵コナン』の作品に登場する架空の人物。
アニメでの声優は神谷明(1 – 548話、劇場版第1作 – 第13作)→小山力也(553話 – 、劇場版第14作 – )が担当する。
ドラマでの俳優は陣内孝則が担当人物
毛利蘭の父親で江戸川コナンの保護者。
「毛利探偵事務所」を経営する私立探偵で、前職は警視庁捜査一課強行犯係の刑事。
現在はコナンの活躍により、世間では「眠りの小五郎」と評される有名な名探偵となっている。
オールバックの髪型とちょび髭がトレードマーク。
年齢は38歳。
「ヘボ探偵」「迷探偵」と描写され、どこか憎めないコミカル色の濃いキャラクターだったが、徐々に切れ者としての一面も見せるようになり、それまでの経験則に基づき、コナンも驚かせるような名推理を披露することもある。
一人称は基本的に「オレ」だが、身内でない人や目上の人には「私」を使う。
周囲からの呼称集は、「(小五郎の)おじさん(コナン・吉田歩美から。コナンが心の中では『(小五郎の)おっちゃん』)」、「おっちゃん(新一・小嶋元太・服部平次・遠山和葉)」、「お父さん(蘭)」、「あなた(英理」、「毛利君(目暮警部・阿笠博士)、「毛利さん(他の警察関係者・他人など)」、「煙の小五郎(横溝重悟)」、「小五郎君(工藤有希子)」、「オッサン・ボケナス(悪口を言う時)(服部平次)」、「小五郎さん(遠山和葉・大和警部など)」、「(毛利の)おじさま・おじさん(鈴木園子)」、「毛利先生(安室透)」、「毛利探偵・おじさん(灰原哀・円谷光彦)」と呼ばれ、灰原がたまに「迷探偵」とコナンと話していた。
短気で粗暴な性格で、コナンが事件の捜査に介入したりすると、ゲンコツを食らわせたり、依頼人に対して怒鳴ったりすることもある。
また、平次が自分に予測できない推理を披露した際には納得できないことを理由に殴りつけるなど、横暴な面も目立つ。
なお、アニメでは周囲から褒められたり自信満々に推理を披露したりすると調子に乗って舌を出し、「ナーッハッハッハ!」という高笑いを頻繁に見せる(原作でも後に見せるようになる)が、その内容は的外れなものであることが多い。
テレビ局の企画を装った犯人によってコナンと平次が無人島に拉致監禁され、無理心中に巻き込まれかけた事件では、結果的に殺人の共犯者になったとはいえ金で雇われていただけの漁師を拷問にかけ、コナンと平次の監禁場所を突きとめている。
また、睡眠中は大いびきをかいて寝ることもある。本人曰く先祖は「毛利元就」とのことであるが、真相は不明。
若い頃に俳優になりたい夢を抱いたこともある。
「妃法律事務所」を経営している弁護士の妃英理を妻に持つが、現在は別居中。
出身高校は新一や蘭と同じ帝丹高校(英理や工藤有希子とは同級生)で、大学は米花大学卒業。
中学校の同級生に女優の雨城 瑠璃(うじょう るり、声 – 島津冴子)がいる。
本人は高校時代は「硬派で通っていた」と語っているが、中学時代を知る瑠璃曰く、その頃からスケベだったらしい。
有希子と英理のミスコン対決の折、当時はミスコンの「ミス」を「ミステイク」の意味と勘違いしており、「ドジな女の方」として英理の名前を書いていたが、小五郎曰く「本当の意味が分かっていたら有希子の方に投票していた」とのことで、結局は馬鹿馬鹿しくなって投票しなかったが、開票の結果は両者が1万票で引き分けたため、小五郎の持っていた残り1票の行方を巡って大混乱になり、その後にミスコンは中止になったというエピソードがある。
大学が帝丹ではなく米花なのは柔道の腕がいいためスポーツ推薦や一芸入試の可能性や、内部進学(とみられる)に必要な成績が不足していた説がある。
有名になってからは多数のテレビやメディア出演によりかなりの収入を得ているのだが、それが災いする形で金遣いが常軌を逸する形で荒くなっており、とある依頼で一千万円という多額の金が入る可能性が出た際は前祝いで300万円も使い込んだ挙句、競馬や競輪によって500万円もすってしまう有り得ない行動をやらかしてしまった程。
酒やギャンブル、遊興等への浪費ぶりが原因で、家計が然程潤わないのは蘭の悩みの種になっており、彼女から小遣いを厳しく管理されているようで「やりくりが大変」と窘められている。
その上、非常にドケチでもあり、娘の蘭にもにロクに私物を買い与えようとせず(彼女の私物の殆どは別居中の英理が買い与えた物らしい)、自分は個人的嗜好から沖野ヨーコの関連商品をこっそり買った時等は「わたしがどんな気持ちで生活費を切り詰めてると思ってるの?」と叱られることもあった。
別居している妻の英理からも、彼女の弁護士としての手腕と人脈にて金銭や収入面で助けられる事がある。
コナンがやってくるまでや以後の収入面は少なすぎるため、事務所は2、3階が内部で繋がるメゾネットタイプながらそれぞれ別に玄関がある特殊な造りであることからこの建物は持ちビルで親から相続してテナント収入を得ていたとする考察があり、
また家計は別居しているとはいえ英理くらいしか管理していると思われる人物はおらず、怠惰な生活を送っていたのは報酬を得ても一旦英理のところへいってから小遣いが渡されているためである説を提唱、仕事嫌いの小五郎が警察を辞めて探偵として独立したのも上司であった目暮から自分も辛いだとか英理の弁護士としてのキャリアに傷がつくなどでも言われて心情を分かり辞職、
黒木昭雄が話す「家が商売をしているなど収入のアテがある刑事が辞めさせやすい」ことから目暮もそれに触れて別の道へ進むのを促した可能性を挙げた。
ちなみに「眠りの小五郎」として、睡眠薬のCMの出演依頼が来ることがたびたびある。
原作では話を聞くなり憤慨して断っていたが、劇場版第10作『探偵たちの鎮魂歌』では1千万円のギャラを提示され、「ぜひ!やらせていただきます!」と快諾していた。
英語はあまり得意ではなく、ロンドンを訪れた際にコナンや蘭の不在中はかなり困っていた。
また、文学作品に関する知識としては、『三国志』や『シャーロック・ホームズ』についてはコナンや蘭に比べるとあまり詳しくないようだが、『南総里見八犬伝』や武田信玄については詳しい。
コナンとは対照的に、シャーロック・ホームズのことは好きではない。
そのうえ、ホームズ愛好家たちの前で「紙の上の人間」と露骨に侮蔑した結果、睨まれて散々馬鹿にされている。
また、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』をタイトル名を間違えたうえに『ホームズ』シリーズの作者であるアーサー・コナン・ドイルの作品と勘違いしていた。
ただし『オリエント急行殺人事件』は気に入っているようであり、ベルツリー急行(ミステリートレイン)に乗った際には、エルキュール・ポアロにちなみ「毛利ポア郎」と上機嫌で自己紹介をしていた。
工藤新一のことは、有希子の一人息子であり蘭の幼馴染として幼少時からよく知っているが、新一が高校生探偵として活躍していた時は一時期、探偵の仕事を奪われたと思い込んでおり、表面的な意識ではあまりいい印象を持っておらず、蘭との交際についても批判的な言動が多い。
「探偵坊主」などと嫌味を込めて呼ぶことも多いが、名前の呼び方は蘭と同様「新一」。
また、新一の父親であり自身の刑事時代に目暮が捜査協力を依頼していた工藤優作のことも「所詮は小説家」と、目暮ほど信頼はしていなかった。
ただし、新一の推理力の高さは認めており、蘭が新一に想いを寄せていることにも気付いている模様で、「大事な娘をたぶらかしやがって」などと文句を言いつつ内心では新一への愛情を大切に見守ってもいる。
有希子個人とは高校生時代から妻の英理共々友人であり、「有希ちゃん」「小五郎くん」と呼び合うほど親しく、毛利家と工藤家は家族ぐるみの長い付き合いとなっている。
なお、自分を陰から補佐するようなコナンの行動については何度か勘付いたが、大抵は周囲の称賛を受けて忘れてしまうか、
たまたま見せたコナンの幼稚なミスに考え過ぎだと判断してしまい、現在もコナンのことを並の小学1年生とは比較にならない頭脳や知識、観察力の持ち主であると知っているものの、
それを完全に日常の出来事として認識した状態が続いている。
また、平次の推理力も認めてはいるが、自分の方が優れていると思い込んでいる。
OVA『10年後の異邦人』で描かれた10年後では現在とほとんど変わらぬ容姿で登場しているが、これはコナンの夢オチであるため実際にそうなるかは不明。
「集められた名探偵!工藤新一VS怪盗キッド」では怪盗キッドに、『ルパン三世VS名探偵コナン』ではルパン三世にそれぞれ変装されているが、これは高木刑事と並ぶ経験でもある。
氏名の由来は姓がモーリス・ルブラン、名が明智小五郎
父親像
娘の蘭に対して普段は憮然とした態度で接しているが、心の奥底は父親としての愛情にあふれている。
以下の様に蘭が窮地に陥った時には危険な状態へ身を挺してまで助けようとしたり、蘭が恥ずかしい思いをした際には激しい怒りを露わにしたりする。
原作・テレビアニメ版
100話 – 101話「初恋の人想い出事件」(単行本18巻File.3「初恋の人…」 – File.5「心は開く!?」)
屋敷が火事になって蘭が中に入った時に自身も入ろうとした。
294話 – 295話「愛と決断のスマッシュ」(アニメオリジナル)
蘭が誘拐された時、彼女への心配から自ら志願して身代金を渡しに行った。
331話 – 332話「疑惑の辛口カレー」(単行本40巻File.4「思い出のテニスコート」 – File.6「声が出ない…!?」)
レンタカーでテニスコートまで向かっている途中、園子が「ミニスカでテニスをするとパンツが見える」と言っているのを聞くと、「娘が恥ずかしい思いをするなら俺は引き返すぞ」と言った。
471話「レンタカー制御不能!」(アニメオリジナル)
自身と蘭の乗っているレンタカーに、停車すると爆発する仕組みの爆弾が仕掛けられていることが分かると、この命の懸かった場面で自身のことよりも蘭のことを気遣い、蘭に対して「ジャケットを頭から被り(車の窓から)飛び出したら伏せろ」や「お前(蘭)が助かるのが先だ。親の言うことを聞きなさい。」などと父親らしい発言をし、犯行動機が自身に対する怨恨であることが分かると「父さんのせいで巻き込んで済まない」と謝罪した。
522話「新一の正体に蘭の涙」(単行本62巻File8「死羅神様」 – File10「正体」)
新一が蘭を負傷させてしまい手当てをした時に、蘭が新一に対して「パンツ見たでしょう!!」と言うと、自分は「あの野郎、殺す」(アニメでは「あの野郎、後で一本背負いだ」)と新一に対して心の中で怒りを表していた。
712話 – 715話「服部平次と吸血鬼館」(単行本79巻File.6「吸血鬼の館」 – 80巻File.1「殺人鬼の計画」)
群馬県警に行き、蘭が館に残っている時には平次に電話で「娘に何かあったらただじゃすまないからな」や「娘は大丈夫なんだろうな」などと怒鳴った。
775話 – 776話「あやつられた名探偵」(アニメオリジナル)
蘭の名前を出して脅されると犯人たちに協力し、蘭が殺されそうになった時も無事であることを確かめると、抱きしめて涙を流していた。
818話 – 819話「小五郎、怒りの大追跡」(アニメオリジナル)
蘭がアイドル歌手のリサ・パープル(声 – 明坂聡美)と間違われて誘拐された際には、蘭のことを誰よりも心配してニュース番組で目じりが腫れ上がるほど号泣し、蘭を救出した際には涙を流しながら抱きしめていた。