「夏を待つセイル(帆)のように」ZARD(#ZARD)
作詞 : 坂井泉水
作曲 : 大野愛果
※Fake Liveバージョン
この曲は2005年4月に映画「名探偵コナン 水平線上の陰謀」の主題歌としてリリースされました。
名探偵コナンの人気もあり、後期ZARDでは代表的な人気の曲となりました。
作曲は大野愛果氏で、2003年「明日を夢見て」から2006年ラストシングル「ハートに火をつけて」まで8作連続で作曲を担当しています。
大野氏は倉木麻衣さんや愛内里菜さんにも楽曲を提供し、この頃Beingの代表的なコンポーザーでした。
ZARDにも多くの曲を提供していますが、これらの中で最もハマった曲になったかもしれません。
1999年発売の「世界はきっと未来の中」以来久々にオリコンチャート3位となり、ZARD健在を見せつける結果となりました。
坂井さんがアレンジで意識したことは童謡(森のくまさん)とロックの融合だそうです。
懐かしさと雄大で力強さ、そして後半にいくに従って、エモーショナルになることを重視されたようです。
坂井さんとしては字面的に「帆」と書いてセイルと読ませたかったかもしれませんが、低年齢層に配慮した形でこのようなタイトルになったのでしょうか。
後期のZARDでは優しさや温かさを全面に出すような曲が多くなってきましたが、この曲はその中でも真骨頂だと言えるでしょう。
そして、2000年以降は希望や前を向くような歌詞が多くなってきました。
これは「負けないで」や「マイフレンド」のような曲とも少し違う前向きさです。
こういった曲が多くなってきた背景として、坂井さんの置かれた状況が常に楽しい、幸せな時間ばかりだったわけでは無く、病気などでむしろ苦しい時間の方が多かったからではないかと推測されます。
夏を待つことと同様、主導的に自分から相手に振り向いてもらうというより、どこか状況が良くなることを待っているかのように見える詞は、この頃の坂井さんの状況と重なって見えるかもしれません。
Liveは2004年が最後となったことで残念ながらLiveでは披露されることはありませんでしたが、壮大なサビをLiveで聴いてみたかったと思います。