1993年10月からスタートした読売テレビ・日本テレビ系の人気バラエティ番組『ダウンタウンDX』が、2025年6月27日をもってその歴史に幕を下ろしました。実に31年8ヶ月という長寿番組として、多くの視聴者に愛され続けてきた同番組が、ダウンタウン不在という異例の形で静かに最終回を迎えたことは、日本のテレビ史において大きな節目となりました。

『ダウンタウンDX』は、お笑いコンビ・ダウンタウン（浜田雅功、松本人志）による鋭いトークとゲストの本音を引き出すスタイルが特徴の番組で、「芸能人の私生活を暴く」「自宅公開」「トークバトル」など、多彩な企画で知られ、芸能界に新たな流れを作り出しました。

番組は、木曜22時というゴールデンタイムの固定枠で放送され、多くの視聴者にとって“週末の始まり”を告げる恒例番組となりました。中でも、豪華なスタジオセット、ゲストの素顔に迫る構成、そして浜田・松本両氏の絶妙な掛け合いが番組の魅力を高め、視聴率も安定した人気を誇ってきました。

しかし近年、松本人志さんの活動休止、そして浜田雅功さんの出演機会の減少により、番組は不安定な状況に。特に2024年以降は松本さんが姿を見せることなく、浜田さん単独で進行するスタイルが定着していましたが、最終回にはその浜田さんも姿を見せず、ナレーションと過去映像を中心とした“総集編”として放送されました。

最終回では、過去の名シーンや爆笑トーク、豪華ゲストとのやりとりが一挙に紹介され、ファンにとっては懐かしさと寂しさが交錯する内容に。SNSでは「ありがとうDX」「ダウンタウンDX最終回」などのハッシュタグがトレンド入りし、多くの視聴者が思い出を語り合いました。

特に注目されたのは、松本人志さんの復帰が叶わぬままの幕引きという点。「ダウンタウンDXは松ちゃんあってこそ」「最後に2人の共演が見たかった」という声が相次ぎ、改めてダウンタウンというコンビの存在の大きさが浮き彫りになりました。

また、数多くの芸能人がこの番組を“登竜門”としてステップアップし、バラエティの舞台で活躍していった事実も見逃せません。出演経験のある芸人や俳優、アーティストたちからは、感謝や思い出を語るメッセージが多数寄せられ、「番組に出られたことが誇り」と語る声も印象的でした。

今後、この枠に新番組が登場する可能性はあるものの、視聴者の間では「ダウンタウンがいない木曜22時は想像できない」との声もあり、番組の残した影響力の大きさを物語っています。

『ダウンタウンDX』は、テレビの枠を超えて、世代を超えた“笑い”と“驚き”を届けてくれた稀有な番組でした。その終焉は、テレビバラエティのひとつの時代の終わりを象徴しており、新たな時代への移行点として長く語り継がれることでしょう。

ありがとう、ダウンタウンDX。 そして、お疲れ様でした――。

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